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アニメ『天元突破グレンラガン』について、個人があれこれつづるブログです。オフィシャルとは関係ありません。
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グレンラガンという物語は、とてもシンプルだと思う。
主人公が、目の前に立ちはだかる壁を次々突破していく話。ただそれだけ。
横スクロールのシューティングゲームだ。

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4月の番組改編で、日曜朝のお子様番組も様変わりしていました。

中にはいかにも少年漫画アニメ第1回! というのもあって、「うわ王道」とゲラゲラ笑いながら見てました。悪者が幼い子をいじめてるところに主人公がシルエットで登場したり、悪者が「おぼえてろ~」と捨て台詞を残して逃げてったり、悪者が主人公を恨んで建設中のビルの工事現場(爆笑)に連れこんだり、主人公が、見守る幼い子の前で悪者を倒し、「バトルで一番大事なことは……魂だ!」と教えたり。
もう次のセリフがすべて予測できるような「王道」っぷりでした。

で、思ったのは、グレンラガンって、この日曜朝の8時半からやってたんだよな……っていうこと。

本放送見てるときは、グアームやキングキタンが漫画っぽくて可愛らしかったので、それほど疑問に思わなかったのですが、考えてみたらこの日曜朝のお子様番組群の中で、ヨーコが乳揺らしたりアディーネ様が足を組み替えたりしてたんですね!

いや~すごいわ。

そして例えば、昨日見ていた「いかにも王道アニメ」の颯爽とした主人公が、もし数週間後に死んじゃったら、ビックリするだろうなぁ!
あるいは主人公がいきなり大人になって、戦いを見守ってた幼い子に「誰かがけじめをつけなきゃいけない。それが政治だ」とか「時代が変わったことに気づけよな」とか言われてたら、すごいよなぁ!

「王道」を守りつつ、さらにそれを突破して行く。
やっぱりグレンラガンてすごいなぁ、と思った日曜朝でありました。
1話アバンも残念なんですが、一応、26話で「多元宇宙」という概念が出て来るので、1話アバンは別の世界のシモン(己の欲望のままに螺旋力を使い続けることを選んでしまったもう一人のシモン)と解釈すれば、何とか納得できます。

一番残念で、小説4巻でもTV版のままだったのでがっかりした設定は↓

その1からのつづき)

完全に「うわーこのアニメすげー!」とはまってしまったポイントは、自分の場合は「4部構成」でした。

4部構成って、まさしく王道の「起承転結」じゃないですか。
ちゃんとサブタイトルで区分けされている。
2部からオープニングの絵が変わり、3部からオープニングテーマの歌詞が2番に変わる。オープニングにもきちんと意味がある。楽曲を売るために内容とは無関係に次々テーマソングを変えて行く長寿アニメとの、何たる違い。

そして前半と後半でがらりと世界が変わる。正直、3部の展開は暗くて、好きか嫌いかと問われたらあんまり好きではないけれど、でも、3部があるからこの作品にたまらなくひかれました。
その意味では自分は3部好きといえるのかな?

「な〜んだ結局、すべて気合いで解決かよ〜」と笑っていたら正面から冷や水をぶっかけられるような17話は、1話の次に完成度が高いと思っています。
まさに「第二の第1話」。

そしてまったく別の作品になってしまったように見えて、ちゃんと前半と3部がつながっている。それが回を追うごとにだんだん明らかになっていく、この仕掛けがいいですよね〜。

5話と3部全体が、7話のカミナの台詞と21話のヨーコの姿がつながり、1話の地上の光景が21話で繰り返され、15話の「あきらめるな」が21話のラストで、8話の「歯ぁ食いしばれ」が23話で、それまでの鬱屈を吹き飛ばす一言になって再登場する。

音楽もすばらしい。同じ曲が少しずつアレンジを変えて繰り返し出て来る。
カミナのテーマだったラップがアレンジされて、キタンがロシウに殴りかかってもかわされてしまうシーンに使われるところは、本当に切なかった(『ラップは漢の魂……だった…よな…』)。
さらに同じラップが、それを押さえつけるアリア(!)との組み合わせという形で、25話や26話、最終回冒頭に使われていく(『"Libera me" from hell』)。
地上に飛び出す時の明るく威勢の良い曲(『お前のXXXで天を衝け!!』)が、シモンのテーマの最後にひっそりと出てきたり、ピアノ・ヴァージョンになって最終章に淡々と流れていたりします。

この「少しずつ変えて繰り返す」というたったこれだけのことが、どうしてこんな感動を呼ぶのでしょう。

まさしくこの物語はラヴェルのボレロだと思う。同じ旋律を楽器を変えアレンジを変えて繰り返していくだけなのに、クラシックに疎い人や子どもまで強引に感動させて叩き切るように終わるボレロと、とてもよく似ている。

その「繰り返しながら少しずつ進んでいく」構造こそがドリル=螺旋、というところがまた、あまりにもよく出来すぎている。
本放送で見ていて、好きな部分やおもしろい部分もあったけど、あの終わり方は納得できないなぁとか、15話までは面白いけど後半はつまらないとかロシウは嫌いとか思っている人は、ぜひ1話から最終話まで、通しで見直してほしい……と思っています。

自分も本放送時は↑のような感想を持っていました。
半年ほどたって、たまたまTV録画したハードディスクの中身を整理しているとき、グレンラガンが何本か入っていて、ちらちら見ているうちにやっぱり面白いなと思って。見損ねた回も多かったので、ちゃんと頭から見直してみたいなと思ったんですよ。

最初はレンタルのDVDで、1巻から通して見始めて、たちまち1話の面白さに取り憑かれました。返却するまでに繰り返し見ました(のちに買いました(^_^;))。

2話のキャノンボールアタックと、3話の合体に笑いました。
4話でええっと思いました(^_^;)
5話はわかりにくい話だと思いました。漫画版の方がうまく整理されていると思う。

6話は解放版を先に見てしまいました。
7話の「服を着ろー!」に笑いました。
8話は、総集片をすでに見ていて、カミナが死ぬのはわかっていたので……

9話のロシウにえええっとなりました。3部を先に見ていたので。
何だこの子、異様にいい人じゃないか! と思いました。他人が危ない目にあうとすぐ怒るけど、自分がいくら酷い目にあっても絶対に他人を恨まない。

そして、こんなに好き勝手オタク趣味全開アニメのくせに「きっちりした4部構成」ということに気づいた瞬間、完璧にはまってしまったのですよ。(その2へつづく)
*最終回のネタバレ含みます*


*最終回のネタバレ含みます*


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